綿菓子と唐辛子


「あっ、ナツー!!」

「…!」


南が、俺の方に寄ってきた。最近仲良しだからか、ヒメも隣にいる。


「…なんだよ、昼間からうぜーな」

「なによ!ヒメがナツに用事あるって言うから連れてきたんじゃん、バカ!」

「はっ?」


ヒメが……?

腰に手を当てて怒っている南の隣。そこから、ヒメは顔を出した。なんだその動き。可愛いな。


「あ、あのね、コレ、さっきお弁当食べてたら見つけたんだよ」


ひょこっと、今度は身体ごと南の脇から出てくるヒメ。
勇哉は、となりで俺の様子をうかがってニヤニヤしている。クソ、見るな。


「かわいーでしょ?あげるっ!」

「……」


ヒメが差し出したもの。

それは、深い緑色の、四つ葉のクローバーだった。


「これ、俺にくれんの?」

「うん!」

「…なんで?」

「…えっ?なんでって…。んー…」



…………。



「…なんでだろ?気づいたらナツにあげよーって思った!」

「……ッ」




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