アドラーキャット




荻野目くんに告白された。

これは約二十年間生きてきた中で一番といっていいほどの衝撃だった。

だが、そこで分かったことが一つ。

これは前に祐介くんにも言われた気がするけど、私は荻野目くんをペットのようにしか見ていない。

実際、告白された時もビックリはしたし、嬉しかったけど、その後ドキドキすることなんてなかった。
少しションボリとした様子の荻野目くんに罪悪感がすごい湧いたけど流されはしなかった。


「瑞希んとこの後輩、二人ともサークル入ってくれるんだな。」

「ねー、ホントいい子たちですよねー。」

傑先輩は遠くにいる荻野目くんと祐介くんを優し気な眼差しで見つめている。

あぁ、さっき言い忘れたことが一つ。

荻野目くんの告白のショックでなんだかあんなにグチグチしていた傑先輩への未練が吹っ飛んでしまった。
我ながら単純だとは思うが。

そして今は荻野目くんとどう接すればいいのか手探り中だ。

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