そしてキスからはじまった
もうひとつの気がかりな事…時々息苦しくなり、少し痛みも感じることもある
それは私もお父さんのように心臓が悪いんじゃないか…ということ
彼女が私の胸の音を聞いた時…彼女の動揺した顔を見て確信した。
数日後私は精密検査の結果を聞きに病院にきた。
目の前の先生…私の初めての人…

「ジュリア聞いて欲しい。君は心臓が悪いんだ
でも治療をすれば生きられるんだ。子供は諦める事になるけど…」
私は静かに首を横に振って
「先生…赤ちゃんは産みたいの…心臓が悪いかもしれないと思ってたからこの病院にしたの…
先生に赤ちゃん生まれるまで私の心臓を持たせてほしいの。赤ちゃん産むためなら死んでもいいの」

「何、言ってるんだ…子供のために死ぬなんて…
良く考えてジュリア。医学は進歩しているんだ君は若いからまた産むチャンスがある
だから今回は諦めるんだ。」
先生は私の肩をつかんで強く言う。

私は首を横に振った。
「チャンスなんてもう無いの…大事な宝物を自分の為に殺すことなんて出来ない」
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