そしてキスからはじまった
私は重い足取りで部屋に戻った。

紫音はまだ帰っていない…良かったこんな顔を見せれない…

覚悟はしていた…でも突きつけられた現実は私には辛いもの…

紫音…貴方の腕の中で死にたい。

そんな事は許されないこと…

すべてを話せば優しい彼は一緒にいてくれる?

でも生まれてくる赤ちゃんを紫音が育てることになる…

一人で子供を育てるなんて…
愛してもない死んだ子の子供なんて愛せるわけない…

子供がかわいそう…

独りで暗い部屋で考えてると暗くなる

夕食を作ろう。紫音がもうすぐ帰ってくる。

紫音は夕食を食べながらいろんな事を話してくれる…

素敵だな…紫音。彼とこうして一緒に暮らせた私…

彼は今、一生懸命楽しそうに話してくれる…

短い間だったけど私には十分かもしれない…

結局、私は話す事が出来ず数日過ぎた…

タイムリミットは近づいている…

明日の彼の誕生日はお祝いしたい…
彼に彼の瞳の色に似たこの宝石をプレゼントしたい
気に入ってくれるかな?

そんなことを考えてた。
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