そしてキスからはじまった
紫音はその日遅く帰って来た。紫音からは彼女の香りが香る
今日も彼女といたのだろう…機嫌が悪そうなのは私がいるせいだろうか?
そんな事を考えて悲しくなった…
それでも諦めの悪い私は
「紫音…明日も遅いの?」
私は彼女の言葉は嘘で私と最後の誕生日を一緒に居てくれることを願って聞いた
早く帰って来るよと言う言葉を期待して…

紫音はふっ溜息を吐いて
「それがさぁ、オーナーに今日、急に言われたんだけど従業員で一泊で別荘に行こうって」
「……」
「急だよなあ…明日なんて…文句言ったら首にするなんて
俺が来なかったら他のやつが八つ当たりされるから絶対来てくれって泣きつかれるし…」
なんで明日なんだよとブツブツ言っている。
紫音に聞きたい…
彼女の言うとおり二人でいるの?
彼女が本命で私は恋愛対象にもならないかわいそうな子なの?

彼女は私の事をダンサーをしててレイプされたと言った…それは警察にも届けてないこと
紫音から聞いた以外に考えられない…
私の秘密を彼女に言うなんて…酷い

私の事を抱いてるくせに…恋愛対象にならないなんて…
男の人は恋愛対象にならなくても抱けるの?
あっ彼は好きじゃなくても抱ける人だった…
そして女の子を夢中にさせるんだ
孝はいつまでも紫音を忘れられない私に言った…
女は抱くけど好きにならないと…そんな男を好きになっても苦しむだけだと…
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