そしてキスからはじまった
桜が満開だよとばあさんに言われて何日かして桜を見に来た。
ここは俺にとっては特別な場所…
日本に来て、さみしい時、悲しい時、ここに来た。
丘の上のこの場所に来ると気持ちが落ち着いた。

「花の精?」子供の元気な声…
声の方を見るとジュリアが…幻?
花の精…子供に微笑む彼女はまさにそれで、上手く言うなと思わず笑ってしまった。
彼女と話したい「ジュリア」とおもわず呼んでしまった。

彼女が困った顔をした。俺になんて会いたくなかったかも
俺は断られるのを覚悟で家に誘った。少しでも一緒にいたい
うなづく彼女。ジュリアに触れたい…図々しくもそう思った。
何気ない振りをして手を差し出してジュリアの手を握った
自分から手を繋いだのは初めて、女と手を繋いだのも初めてだ
もっと凄いこともしてるくせに顔が熱くなる。

俺は彼女に謝った。あの日傷つけた事をあの女がひどい言葉で、それを止めれなかったことも
本当のことだからとジュリアが泣き出してしまった


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