そしてキスからはじまった
俺はルイから聞いた住所にジュリアを訪ねた。

呼び鈴を押しても何も応答がない・・
留守だろうか?ルイの話ではあまり外に出てないという話だけど・・
庭に回ったりうろうろしてると

「お前・・だれ?何の用?」
となりから男が出てきた。かなり不審そうに見られた・・

「紫音といいます。日本から来たんですが・・あの・・ジュリアは?」
「日本から?わざわざ?」
男の眉間のしわがますます深くなっていく

「リヨンに留学することになったのでジュリアに会いに・・えっと…お母さんが亡くなったそうで・・心配で」
なおも怪訝そうに俺を見る。しょうがない少ししてまた来てみるか…そう思って歩きだそうとした。
「ジュリアちゃんならこの道を登った丘の上にいると思うわ・・あの子のお気に入りの場所だから」

男の家から女の人の声がした。

「なんで教えるんだよ!変なやつかもしれないじゃないか・・」男が怒鳴る。
「あら・・日本から会いに来るなんてロマンチックじゃない?恋人かしら?」
女の人はニコニコ笑って俺を見た。
「もう・・勝手な事言うなよ」

おれは親子であろう2人に頭を下げて道を登って行った。

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