そしてキスからはじまった
「仕事はどう?」ダリアはリセを卒業してから親の洋服店で働いている。
おしゃれな彼女は上手く流行を取り入れて店は繁盛してるみたい。
あまり熱心じゃないのに羨ましい。

「セシリアこそどうなのよ」
「学校に入る前に少し勉強してるんだ。デザインは好きなんだけど技術はダメ!不器用なんだ私って改めて気づいた。店の方はそれなりかな、半年たつから…今日も高めの指輪売ったよ。」
少し自慢げに言った。9月からの学校のため自分で少し勉強してる程度の私には売り上げは目に見える成果。これから少し自慢しようかなって思っていたところに

「お待たせしました」さっきの彼が立っていた。
ダリアはじっと熱のこもった眼で彼を見る。
「ありがとう。」私は苦笑いしながら彼に言った。
彼はダリアの視線を慣れてるのか無視して「話しに割り込んでごめん。君って宝石売ってるの?」彼は真剣な顔で私に聞く
あっ私?話しかけられるなんて思ってなかったからびっくりした。
「えっ、えぇアクセサリーショップに勤めてるから」
「あのさぁどんなのがあるの?」
「プレゼントするの?」
「あぁ…」
彼女にプレゼントしたいという彼に私はショップカードを渡した。
値段が少し高くなるけどオーダメイドも出来ると言った。
少し赤くなりながらうなづき、名前とか言葉とかは入れれる?と聞かれた
「もちろん」とニコニコして答えた。さっきより人間らしくてずっといい
そう思ってたら
「シオン!ちょっと」不機嫌にレジの方からの呼ぶ声がした。
彼は眉間にシワを寄せて「今度、見せてもらいに行くよ。じゃあ」
と元の冷たい顔に戻った。
「何か…いやね。あの人、彼女かな?」
彼を呼んで身体に触りながら喋る彼女…
「絶対、違う」そう言い切った。彼には似合わない。
なぜかそう思った。
でもあの女、嫌な気がする。とっても。


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