そしてキスからはじまった
受付で聞いた親父の部屋には誰もいなかった。

ナースステーションで聞いたらきっとプレイルームではと言われた。

プレイルーム?と怪訝な顔をする俺に

ここの病院の小児病棟の子供たちが本を読んだり室内で遊んだりする部屋だと教えてくれた。

なんで親父が?って思っていると暇なときはそこにいることが多いと言われた。


プレイルームに行くと親父は小さい子を膝にのせて絵本を読んでやってた。

俺は子供のころに絵本を読んでもらったことなんてないな。遊んでもらったこともない気がする

そんなことを思い出した

「親父」と声をかけた。

親父とともに俺のほうを見上げた親父の膝の上に子は可愛い女の子でピンクの毛糸の帽子をかぶっていた。

話をするために少し近づいたら毛糸の帽子から出た髪の色は俺が探す彼女の髪の色にそっくりで

女の子から香る香りは彼女の香り・・

どうして彼女の香りが?

まさか彼女がここに?

「どうした紫音?」何も話しださない俺に親父が話しかけた。

話しだそうとしたとき・・

部屋の外から怒鳴り声が聞こえた

「どうしているの」その怒鳴り声はあの女に似ている。声の方を向けば

「突き落としてよ、ショーン」ショーン?やっぱりあいつだ 突き落す誰を?

「出来ないなら私がやるわ」まさか俺は急いで部屋を出た。




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