そしてキスからはじまった
「紫音、ごめん。僕気がついてた。」
病室の入り口で声がした。
うつむいた男の人は確か紫音の働いているカフェの前で私に声を掛けてきた人?

「どういうことだ、ショーン?」そう紫音が聞いた
「ラプ、…ジュリアちゃんが小切手を送り返してきたし、
紫音もとから彼女がいなくなったと聞いて、麗美さんが嬉しそうに笑ってたのを見て…
また何かやったんだと」

「また?」先生が彼に聞いた

彼はふーっと息を吐いて
「麗美さんは男好きでそして人のものを盗るのが好きなんだ。それまでも巧妙に罠を仕掛けて別れさせてた。
紫音は麗美さんに狙われてたから紫音もそうなるとはじめは思ってたんだ。
でも紫音はジュリアちゃんしか見てなかった。
眼中にないって麗美さんに言ってたのを聞いていたし。麗美さんがジュリアちゃんにそう言ったのも自分がいわれてショックだったからだと思う。
紫音は大丈夫だと安心してた。麗美さんもさすがにあきらめたと思ってた。
ジュリアちゃん、ゴメンね。キスは麗美さんが酔った紫音に無理やりしたんだ。
あの日紫音は荒れてて紫音は意識が無くなるまで飲んでいたからキスの事も覚えてなかったのかも
それから車は麗美さんに朝、紫音に会った時、乗せてあげればと言われたから。ただの親切心からだと思ってたんだ。
香水は仕事終わりにカフェのメンバーみんなに挨拶代わりにハグしてたから、自分だけじゃないから紫音も断れなかったんだと思う。
すべてが罠だったんだな。今、考えると」

「さすがあの男の娘だな。お前はあの女の親に狙われていたんだ。娘が世話になっていると連絡してきたから調べさせてたんだが・・遅かったな。」

青さんが病室に入ってきた。その後ろにはルイさんとセシリアもいる。どうしてセシリアが?

「田中、あの女の親の事を話してくれ。」

いつもまにかきっちりスーツをきた男の人が入り口に立っていた。

その人は冷たそうな顔をしていたが私と目が合うと少し優しく微笑んだ。

「はい。彼女の親は日本で外食産業を手広くやっておりました。
始めは堅実にやっていたんですが元から計算高いのが災いして利益のみ追及するようになり、各店では材料の質を下げて提供するようになりました。
そのため舌がこえた客は遠のきました。利益を上げるために犯罪に手を染めるようにもなりました。
ドラックの輸入です。経営しているクラブが摘発を受けました。破滅する前にどうにかしてソエジマに取り入ろうと娘に紫音さんと関係をもつように命じたようです。」


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