君のために
ちょうど前の店のイカツイ店主が包丁を持って現れた
「ひー!さばかれる」
男の人たちは、惚けながら逃げていった
残ったのは私と木下…
木下はこっちにも振り向かないで話した
「今は違うって、夏休みと気持ちが変わったってこと?」
木下の表情すら見えないものの、木下の大きな背中が何かを語ってる
へへっ親父か………
「何、笑ってんの///?!」
木下はいつの間にかこちらを向いていた
「さっきボタン閉めようとしてごめんね?触られるの慣れてないのにね」
無理矢理話をそらした
「…いや、いいんだ、平野さんならいい。平野さんだからいい」