時を越えて~タラシ女子と新撰組~
数分後、畳の上には大柄な男たちが白目をむいて、倒れていた。
華奢な体格の南を見て、負けるわけない、と浪士たちは高をくくっていた。しかし、この有様だ。
手を抜いてくれたおかげで、早く終わった。
南は、額に薄っすらと浮かんだ汗を手でぬぐった。
『どういう気か知らないけど、あんたのやり口、俺は気に入らない』
南が木刀を緋鏡へ向ける。ヒッとおびえた様に彼女は、その場に腰を抜かして座り込んだ。
『なぜ、こんなことをしたんだ』
「憎かったからよ」
うつむいて、ボソリと緋鏡は言った。