時を越えて~タラシ女子と新撰組~





「あいつが??あいつは分かりやすいヤツだぞ」




『分かりませんよ。わかりづらい年頃の女の子みたいです』





空を見上げるのをやめた南は、今度は地面に視線を移した。土方は横目で南を見下ろすと、何も言わずに南の頭を撫でた。





「あいつはな、甘えたり、我がままを言ったり。ちいせぇガキが当たり前みてぇにやる事をやってねーんだ」




『……沖田さんがですか??』





南は、吃驚したように顔を上げた。土方は、悲しそうな、切なそうな笑みを浮かべた。





「あいつは、ちいせぇ頃に親を亡くしてるんだ。今は、あんなヘラヘラしてるが、俺が初めてあいつにあった時は表情の乏しい人形みたいな奴だった」





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