時を越えて~タラシ女子と新撰組~
「もう少しだけ」
腕の力を強め、沖田は南を抱きしめた。
『……沖田さん』
「僕は、今まで近藤さんと新撰組のためだけに生きてきた」
ポツリポツリと、沖田は昔を思い出すかのように話し始めた。
「それは、これからも変わらない」
それは、新撰組のためなら命を散らしてもいいという隠語が隠れていた。南は、小さく頷いた。
「でも、生きる意味が出来たんだ」
『生きる意味??』
首をかしげる南に、沖田は笑った。
「君だよ」