恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
頬に鋭い痛みが走った。
さっき、女の人に叩かれたのと比べものにならないくらい………痛い………
それに……口に血の味が広がった………
口……切れた……
視線を男の人の人に向けると、手を上げ叩く準備をしていた。
叩かれる!
そう思って目を閉じたとき、頬の新しい痛みがしてガンッとおっきな音が響き………扉が……開いた……というか、倒れた。
煌くん………?
「お前等………そいつに……何した?」
地が震えるほどの低い声が倉庫内に響く。
一瞬、低く過ぎて、誰の声かわからなかった。
「おい………聞いてんのか?」
そう言った煌くんは、わたしの上に乗った男の胸倉を掴み、殴り飛ばした。