恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
ガシャン!と大きな音をたて、倒れる男の人。
そして、一瞬わたしを見てわたしに前の方から何かを羽織らせた。
煌くんのシャツ……?
その間に、逃げようとしていた、わたしを叩いた男を、煌くんは捕らえ殴った。
殴られた人はさっきの男の人と同様に、倒れ込んだ。
煌くんは、こっちを振り返りゆっくりと近づいてきた。
煌くん…………
「愛依………」
「……ら、くん………」
声が震える。
よく見ると、手も足も震えていた。
わたしは、自分の体を抱きしめた。
もう大丈夫………大丈夫だよ……と、言い聞かせるように………
けど、それでも震えは止まらない。