恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
「愛依………」
「あ、れ?……おかし、い……な………震えが……止まらなっ」
そう言うと、さらにカタカタと震え出す、自分の身体。
自分で自分の身体を摩るけど、一向によくならない。
「っふ………うっ…」
それに……目頭も熱くなってきた。
なんで……?
もう…大丈夫なのに………
その時………何かに優しく包まれた。
これは……忘れもしない……
あの時と同じもの……
あの、雨の日……わたしを探して抱きしめてくれた………
煌くん………
「愛依……大丈夫だ」
煌くんは、わたしに言い聞かせるように、ゆっくり言った。
「大丈夫だ」