恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
手を差し延べて
どれくらいここにいたんだろう?
辺りはもう暗い………
冬じゃないって言っても、今はまだ春。
さ、寒い………
堪えられなくて、身震いをしてしまった。
どこかに雨宿り………
公園を見渡すと、雨宿りが出来そうな場所は滑り台しかなかった。
とりあえず、あそこで休もう。
ふらつきながら、滑り台の下に入り、しゃがみ込んだ。
これから……どうしよう…………
先のこともそうだけど…………今も…………
病院の帰り道がわからない。
もう………このまま………帰らなくてもいいかな……?
わたし一人がいなくなったって…………誰も悲しむ人は……いないんだから………
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