恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
「うん…」
真剣な顔して……どうしたんだろう……
「あいつに……どんなことされた……?」
あいつって……きっと……祥のことだよね?
自分の口から……それを言うのは……嫌だ……
それを感じたのか、煌くんは口を開いた。
「キスはされたか?」
「うん……」
「口にも……か?」
「うん……」
「最後まで……したのか……?」
最後………って……どこまで……?
でも……あれは確かに…少しだったけど、入れられた……
わたしが中々口を開かないから、煌くんは痺れを切らして、言った。
「黙ってるってことは、そういうことか?」
少し機嫌が悪くなる煌くん。
「ち、違うよ……だけど……」
「だけど……なんだよ?」
これは、言うべきなのだろうか……
でも……言わないと煌くんの機嫌が……
煌くんは、わたしから目を離さない。
何かを探るみたいに。
「だけど……少しだけ……入れられた………」
煌くんは、大きな溜め息を着いた。
やっぱり………怒ってる。
と、思ったら、優しく抱き締められた。
「ごめん……守れなくて………」
消え入りそうな声でそう呟いた煌くん。
なんだか切なくなるのは……どうしてだろ……
「遅くなって……ごめん……」