アカイ花†Vermilion Flower

「アサヒってば、やっぱりバカだよね
 やっと、今、わかったよ
 貴方が私を選んでくれた理由が
 
 貴方が諦めなくていい、ずっと
 好きで居続けろって私に教えた
 張本人だもんね

 それなのに、私の片思いに
 素知らぬ顔はできないよね?
 
 愛してもいない私と結婚まで
 しちゃってさ

 どんだけいい人なの
 
 ほんと、気が知れない」


浅緋は、真剣な表情と強い口調で私に告げる。


「馬鹿はどっちだ

 愛してたさ、お前を
 
 だから、俺達は結婚した

 愛してもいない女と一つ屋根の下で
 暮らせるほど俺はリッチじゃねえよ

 お前が一番知ってんじゃん!」

「私のこと、愛してたの?」

「ああ」


『私のこと(愛してる)・・・?』


ずっと聞けなかった言葉を、もっと早くに貴方に問いかけていれば良かったのかもしれない。
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