アカイ花†Vermilion Flower

「忘れてないよ

 だったら、電話ぐらいして来てよ」

「何で俺が、俺はどっちでもいい

 あっ、明日はここから学校行くぞ
 部活はあるからな

 朝、起してくれよ」


そう言うと、浅緋は、ごろーんとベッドに寝転がった。

私は、浅緋の傍に座った。


「うん、いいよ

 そうだ、また、さっきの話みたいに
 寝坊して、福原先生に代理顧問を
 任せるわけにはいかないもんね

 また、デートに誘わなきゃ
 いけなくなるし、ねっ?」


私は語尾を強め、浅緋に怒った素振りをしてみせた。

幾ら理由があったとしても、女教師と二人きりはダメでしょう。

誤解だって招くかもしれない。


マットに手を置いて体を支えている私の手を取る、浅緋。

私は浅緋の体の上に、自分の体を重ねた。

< 65 / 218 >

この作品をシェア

pagetop