アカイ花†Vermilion Flower
私の中にずっと在り続けた浅緋への不満・不安、そのほんの少しの隙間に彼への熱い想いが住みついた。
そして、いずるさんもまた、私と会う事で元気を取り戻してくれている様だった。
無気力だった彼が活動的になる。
プップー♪
待ち合わせ場所に現れた、いずるさん。
「リコちゃん、お待たせ
今日はコレで送るよ」
「えー、どうしたんですか
この車?」
「いいから、さあ、乗って」
開かれる助手席のドア・・・
彼氏の友達の車に乗っていいのかな?なんて気持ちは
「リコちゃん、ほらっ早く」
私へと向けられる少年のような彼の笑顔に、浅緋への想い、その全ては掻き消されてゆく。