アカイ花†Vermilion Flower

私の中にずっと在り続けた浅緋への不満・不安、そのほんの少しの隙間に彼への熱い想いが住みついた。

そして、いずるさんもまた、私と会う事で元気を取り戻してくれている様だった。

無気力だった彼が活動的になる。


プップー♪


待ち合わせ場所に現れた、いずるさん。


「リコちゃん、お待たせ
 今日はコレで送るよ」

「えー、どうしたんですか
 この車?」

「いいから、さあ、乗って」


開かれる助手席のドア・・・

彼氏の友達の車に乗っていいのかな?なんて気持ちは


「リコちゃん、ほらっ早く」


私へと向けられる少年のような彼の笑顔に、浅緋への想い、その全ては掻き消されてゆく。
< 82 / 218 >

この作品をシェア

pagetop