オレンジ


安心させるように、優しく髪をなでつける。


えーりは、黙った。



えーりはどう思っているのだろう。


さっきのさっきまで普通に持っていた友情が崩れた。


いつまでも、親友でいたかったのに。


でも、えーりのためだと思えばこれからも生きていけそうな気がした。






□■□■




「あっれー?しょーへ?今日はえーりちゃんと来てないんだ?」



朝っぱらからべたべたとくっついてくるのは、俺の友達。


友達は、1人で登校している俺のとなりに並んだ。



「べっつに」


「なに?けんかー」


楽しそうに聞いてくる友達が憎たらしくて仕方ない。


なぜそんなにうれしそうなんだ。



「そっかー。へへ」


「なんだし」


「俺さ、えーりちゃんのこといいなぁって思ってて。
しょーへがいないなら狙いやすいじゃんか」


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