オレンジ


なんだよ。


このわけのわからんこの感情。



すっきりしないこの感じは、この間の感情によく似てる。





「あっ、しょーへーくぅん」


友達より先に席につくと、クラスメイトの女が前の席についた。



クラスではこの女が特に絡んでくるけど、
名前をいまいち覚えていないので。


こいつを猫娘って呼ぶことにしよう。



「おはよ?」


「はよ」


「あっ」



猫娘は、俺の髪に手を伸ばした。


俺の寝癖を抑えつけるようになでた。


今日の朝、ど根性すぎる寝癖にあきらめたのだ。




「寝癖。しょーへくん、かわいーね」


「直った?」


「うん」


「どうも」




特に会話もなく、俺はかばんからものを取り出す。


猫娘はなにが楽しいのか、じぃっとその俺の動作を見ている。

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