オレンジ
「あっ」
「…なに?」
「先生に頼まれてたものがあったの。重いみたいなんだぁー…。
手伝ってくれたりする?」
「あぁー。わがった」
めんどくせーと思いながらも、俺は立ち上がった。
猫娘は性格もめんどうだ。
しつこいし、色目つかうし、ぶりっこだし。
めんどうだから、さっさと猫娘との用を終わらせたかった。
「行こっ」
猫娘はぐいぐいと俺の腕を引いた。
後から来た友達が、ひゅーひゅーとか、うざいこと言ってる。
俺はため息をついて、携帯で時間を確認する。
えーり、さすがに来たよな。
いっしょに学校に行かないなんて、初めてかもしんないもんな。
「それでねー」
猫娘がなんだかいろいろ話している。
俺はそれを聞き流していた。
考えるのは、えーりのこと。
「あっ…」
えーりと鉢合わせになった。