今日も、明日も、明後日も



「それで結局、風呂も貸してくれてケガの治療もしてくれて……あ、ちなみにこれ、そのときの傷跡ね」



伊織さんがそう言ってスーツの右袖をまくって見せると、その右腕にはうっすらと残る小さな切り傷の痕。それすらも懐かしい思い出の一つなのだろう、その表情は笑顔のままだ。



「その時に言われたのがさ、『売られた喧嘩を意味もなく全て買っていたら貧しくなってしまう。だから必要なときだけ買えばいい。意味もなく拳を振るんじゃなく、守りたいものの為に振るえばいい』って言葉で」

「守りたいもののために……」

「その言葉がすごい格好良いと思ったし、周りの大人みたいに怒ったり頭ごなしに怒鳴りつけるんじゃなくて、諭すような言い方をする人が俺には新鮮だった」



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