今日も、明日も、明後日も
「まぁ、いつも何するわけでもなく昼間に遊びに行って、食事して話ししてってくらいだったんだけどさ。当たり前のことがそれまでなかった俺には、それがすごく嬉しかった」
当たり前のこと。誰かと食卓を囲む。会話を交わして、音がある。どこの家庭にだって、そこらじゅうに溢れている“日常”。
だけどその当たり前のことが、彼にはなかった。
「俺さ、そういうの含めて沢山のものを千鶴子さんから貰ったんだ」
ありふれたこと、だからこそ尊いもの。