今日も、明日も、明後日も



「亡くなったって知って、すぐにあの手紙のこと思い出して……それで君の所に来たんだ」

「……それでも普通、そんなにすんなり受け入れられるものですか?」

「うん。俺は鈴ちゃんとの結婚、迷わなかったよ」



『迷わなかった』、予想外のその言葉に、どうして?と問いかけるように瞳を見つめる。



「千鶴子さんの育てた子だもん、いい子に決まってるでしょ」



浮かべられた表情は、穏やかで優しい微笑み。その顔ひとつで、彼の言葉が嘘や冗談などではないことは、すぐに分かった。



この人も、私と同じだ。おばあちゃんから沢山のものを貰った。返しきれないくらい沢山のもの。得ようと思って得られるわけじゃない、かけがえのないもの。

愛しい、ぬくもり。



 
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