今日も、明日も、明後日も
真っ暗な部屋の中、伊織さんは携帯画面のわずかな光を頼りに洗面所へと向かい、すぐ戻ってくる。
「ブレーカーは大丈夫だったよ」
「じゃあ天気のせいの停電ですね。すぐつくと思うのでお気になさらず」
「帰れるかなー……ま、いいや。取り敢えずタクシー捕まえに駅まで行ってみよう」
「大丈夫ですか?客間空いてるし泊まっても……」
そう言いかけた私に、彼は話を最後まで聞くことなく玄関へ降りて靴を履く。
「嫁入り前の女の子が、そんなに軽く男を家に泊めないの」
「……そうですね。寝ぼけて抱きつくような変態ですもんね」
「それは本当にゴメンナサイ」
そして「はは」と笑って、私の頭をポンポンと撫でた。