今日も、明日も、明後日も
またも漂う、微かな無言。それを打ち破るのは彼の声、ではなく珍しく私の声だった。
「……私の話、なんですけど」
それは、ほんの少し勇気のいる言葉。
「鈴ちゃんの、話?」
「話しても、いいですか?」
「……うん」
寄り添い座ることで、自然と小さく触れる肩と肩。それを離すことないまま。
「私、生まれてすぐおばあちゃんに引き取られたんです」
「うん」
「両親は元々あまり仲が良くなくて……妊娠中もよく揉めてたらしいんですけど、出産後に大きな喧嘩をしたのが原因ですぐ離婚して」
「……で、どちらも鈴ちゃんを引き取らなかったと」
「はい。父親は『引き取りたくない』と家を出て、母親は『新しい男がいるから』と私をおばあちゃんに預けて、以来この歳まで音沙汰なしです」