キミとあたしと。
12月。
冬休みに入ると早速冬期講習が始まった。
教室に入ると、同じ学校の子がいた。
同じ学校だけど話したことはないような子。
「あれ、鈴木結衣ちゃん・・?」
「えっと、・・・りかちゃん?」
「あ、あたしのこと知ってるんだ?よかったぁ~、この塾、しってる人いなくて」
「あたしも! 隣座っていい?」
「もちろん!」
あたしたちは初めて話したのが嘘みたいに仲良くなった。
「あ、結衣ちゃんそういえば柊太くんて知ってる?」
「しゅうた?誰?」
「この塾だし同じ中学なんだけど、密かに女子から人気があるの!かっこいいんだよ~」
「そうなんだ!今日は来てないの?」
「うーん、今日は来ないみたい」
「そっかぁ」
しゅうた・・・佐々木柊太。
りかちゃんから聞いたこの名前を、気にも留めていなかったあたし。
帰る頃にはすっかり忘れていた。