想い続ければ...。
「かーのーんーっ!
 どうしたの??ボーッとしてー」

「あっ、なんでもないよ!
 ごめん、ごめんっ」

今私の名前を呼んだのは
中学で3年間クラスが一緒の
長谷川美姫(はせがわみき)。
通称、みーちゃん。

3年間一緒っていっても
1、2年の頃はそこまで
仲良くはなかった。

グループも違ったし。

でも部活は、同じ吹奏楽部だった。

だから、仲が悪いってわけでも
なかった。

3年でも同じクラスになり
知らないうちに
私の大事な大事な心友になった。
毎日一緒に行動して
毎日一緒に笑って。
みーちゃんといると本当に楽しい。
私が気を使わないで素でいられる友達。

そして──

「かのんーっ!トイレ行こーっ!」

「いいよー!」

次に私を呼んだのは
神田紗弓(かんださゆ)。

この子も私が毎日一緒に行動する友達。
心友とまでは呼べないけど
大切な友達。
ちょっと短気な性格。
たまにイラってくる時もあるけど
なんだかんだで私を頼ってくれる。
そして何より....

「きいてーっ!
 今ね中津と話したのっ!」

紗弓は中津が好き。

紗弓が打ち明けてくれた時は
私は中津に何の感情もなく
素直に応援できた。

けど、いつからか
私は紗弓を応援できなくなった。

みーちゃんには
この気持ちを打ち明けた。

そしたら
「好きなんじゃない??中津のこと。」

っていわれた。

まさか...私が中津を??
ありえないって思ってた。

たしかに、中津とは
そこらの女子より仲いいと思う。

よく言い合いするけど
お互い本気じゃないし。

もちろんメールだってよくする。

あいつとメールするのは楽しいから。

紗弓とはライバル...なのかな??

でもまだ自分の気持ちが
はっきりしないからわかんないや。




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