キミの風を感じて

再告白から数日たって――


放課後、部室でウェアに着替えて
それからグランドには向かわずに校舎の下で待っていた。


ちょうど本荘が校舎から出てきたので訊いてみる。




「えっと、紗百、まだ教室にいた?」


「誰?」


「紗百」


聞こえなかったみたいなので、もう一度言い直すと本荘の顔がパッと輝いた。




「ブッ! お前、紗百のこと、いつから下の名前で呼んでんだよ?」


「え、先週……」


「つきあってんの?」


「うん、まぁ」


ボソッと答える。




「そっかぁ、よかった。せっかくアドレス教えてやったのに、加島いつまでモタついてんだよって思ってたんだ」




いやいや、つきあって別れてまたつきあい出したんだ。なんてことまで言わなくてもいーけど。


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