闇夜に真紅の薔薇の咲く
思わずじっと見つめてしまっていた朔夜は、涼やかな淡い青の瞳と視線が合い急いで視線をそらすと、ふっと吐息がこぼれる気配がした。






驚いて目を見開くと、彼は表情に薄い笑みを浮かべていて――……。







「うん。帰ろうか」






彼はルイを含めた面々にそう笑いかける。






その笑顔に、不覚にもどきりとした。






作り物と分かっていても、それは恐ろしいほど綺麗でいつの間にか見惚れてしまっていた朔夜は「何だよ」と言う低い声を聞いて我に変える。







みれば、いつの間にかルイたちは教室におらず残っているのは自分と不機嫌顔のノアールだけ。






先ほどとはうってかわって冷たい瞳で見下ろされ、ぎこちない笑みを浮かべて首を勢いよく横に振った。








「やっ、何でもないです! ごめんなさいっ」

「そう」









素っ気なく答えると、彼はそのまま歩きだす。






その広い背中を一定の距離を保って追いながら、一つ息をつく。






彼と話すのは妙に緊張してしまう。





自分ではどうしてか分からないけれど……。





深くため息をつくと、ノアールはちらりとこちらを一瞥し、「あのさ」と声をかけて来た。





声をかけられたことに多少驚いた朔夜の身体はびくりと跳ねる。






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