闇夜に真紅の薔薇の咲く
「――あー……。最っ悪……」

「ホントだよ。今日、遊びに行こうと思ってたのにさー」

「でも、これはこれで楽しくない?」

「……柚梨はスゴイねぇ」

「ほらほら! 麗も朔夜も文句言ってないで手、動かす! 柚ちゃんを見習いなさーい!」

「はーい」






放課後。




燈に染まる準備室で、朔夜たちは恐ろしく散らかった室内を片付けていた。




一時間目の移動教室で遅刻した彼女たちは、教師にこっぴどく叱られ放課後の準備室の片付けを言い渡されたのだ。




文句ばかりを口にする朔夜と麗とは対照的に、片付けを楽しんでいる柚梨と陽雫。




ノアールとルイにいたっては、仕方のないことだと諦めているのか黙々と散らかった資料を棚に片付けている。




朔夜はほうきの先端を手を置くと、その上に顎をのせて深々と息をつく。







「めんどい……」

「はい。朔夜ー。次文句言ったらブラックコーヒー飲んでね」

「はぁ!?」





さらりと発された言葉に、朔夜は目をむいた。




実は彼女、ブラックコーヒーどころかコーヒー全般が苦手である。




理由は簡単。苦いから。



カフェ・オレにある若干の苦みすら苦手な彼女がブラックコーヒーを飲むなど、地獄以外の何物でもない。




笑顔でかなり恐ろしいことを言ってくれた陽雫に引きつった表情で見ると、彼女は満面の笑みでにこりと微笑む。





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