あいことば


「はい。」


あたしがそう言いながらタオルを渡すと、さきは受け取ってそれに顔を埋めた。




「…青山から手を振ってくれるとは思わなかった。

ヤバい……


なんか涙が出る…」




さきは瞳に涙をためたまま、またトラックを見た。


「しん、あたし、

青山を今度の祭りに誘おうと思ってる。



そして、そのときに告白する!」



「すごいね…」


そう言ったさきをみながら、あたしはつぶやいた。




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