あいことば


「しん、あたしさ、青山のことがやっぱり好きだわ。」



さきはそう言って顔をうずめた。

さきを見ると、暑さのせいか、照れのせいか、耳まで真っ赤になっていた。



「しん、あたしヤバい。
さっきも、タイムとる前に声かけらたとき、飛び上がるほど嬉しかった。」



今のさきは、普段の強いさきじゃなかった。


すごくかわいい、恋する乙女だった。




「あっ!」


そう言ってさきがトラックに向かって手を振った。


さきの手を振る先を見ると、青山くんが笑いながら手をふっていた。




さきはそんな青山くんの姿をじっと見ていた。



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