大好きだったよ。
「やっと、帰ってきたぁ...。遅いよ!!」

そう、美海ちゃんは威張ってるかのように、言う。

「いいじゃんか。別に。」

「お土産は?買ってきた?」


「あ、うん...。こんなので、いい?」

申し訳なさそうに小さく包装された包みを渡す。


「お前...いつのまに」


「だって、海が買わなくていいって言うんだもん...だから、海がトイレ行ってる間に買っといた」


「さっすが、海潮。我が弟がこんなんで悲しいよ。ねぇ、海くん?」


挑発するかのように、美海ちゃんが言う。

恐る恐る海をみると、

その表情は明らかに怒っていて。

何か、話題変えなきゃ。と思う前に。

「海潮。こい」

海に腕をつかまれて、海の部屋に向かっていた。

< 60 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop