大好きだったよ。
あたしの背中に回ってる手の力が強くなる。


立っているのがわずらわしくなったのか、


海のほうにバタンと倒れる。


「ヤッ___...」


「その声...他で出したらキレるからな」


「へ?」


手が緩んで、海の上に倒れていた体を起こす


...。


かっこいい...


ちょっと切なそうなその瞳。


うすい唇が少し笑っている。


自分でも赤くなってるのが分かって、


顔を背けた。


ふふっと笑った海は


フワっとあたしの頭を撫でる。


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