ダブルスウィッチ
「あなたこそ、自分が何を言ってるかわかってるんですか?

そこまでして亮介さんに忠実でいる必要がどこにあるんです?

愛人と浮気してるんですよ?あなたのご主人は!

それはあなたが一番よくご存知ですよね?

身をもって体験してきたんでしょうから」


グッと言葉を詰まらせた彩子は、えみりの言葉に動揺しながらも必死に言い訳する。


「あ、あなたにだけは!言われたくない!

私はあなたがいつもしてることをしただけよ!

仕事に行って、亮介さんに会って、それで……寝ただけ」


口にした途端、さっきの光景が思い出されて、彩子は泣きそうになるのを必死にこらえた。


わかっているのだ、自分が愛されていないことくらい。


だったら、せめて亮介を怒らせないように振る舞うのが礼儀じゃないの?と彩子は憤りを隠せなかった。


わなわなと震える体で、えみりをさっきよりもさらにきつく睨み付ける。


通行人が、二人をチラチラと見ながら通り過ぎていくのに気づいて、えみりが一歩彩子に近づいた。


「ここじゃなんですから、部屋にいきましょう?

話を聞いてほしいだけですから

それが終わったら帰ります」


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