パラダイスリゾート
(風真sido)
「黒猫だ!!道開けろ、不幸になるぜ!」
・・・俺が前を横切ると不幸になるってそんなこと出来るような技術もってねーし。
馬鹿ばっか。
はー・・・
面倒くさい。
机に突っ伏しながら考えた。
もし、今勢い良くドアが開いて・・・
『ガラガラガラ!!!』
俺の事を迎えに・・・
『風真!!!』
日奈が来てくれたらいいのにな・・・
『風真!!!』
・・・あれ!?あんまりにも日奈の事を考え過ぎて幻覚が見える。
「にしても幻覚にしては良くできてるよな・・・」
「風真!!!会いたかった!」
そう言って俺を勢い良く抱きしめたのは見慣れた顔。
見慣れた体。
聞き慣れた声。
少し髪がのびたけど、紛れもない、本物の日奈だ。
「お前、何でここに・・・」
「細かいことは後で説明するから!!」
笑顔で言って俺を引っ張りながら走り出した。
廊下を見ると、光介と伶菜がいる。
あ〜、迎えに来てくれたんだ。
俺は嬉しさで泣きそうになったのをこらえて走り出した。

みんな・・・会いたかった!
ありがとう!
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