イケメンSPに守られることになったんですが。
しかし、まだ安心はできない。
私を狙うテロリストが、拳銃を持ってそこにいる。
当然亮司さんも拳銃を取り出し、リョウさんになって応戦するのかと思いきや……。
彼は、ロングコートを翻し、素手で男の方へ走る!
「ええええっ!!」
「麻耶ちゃん、しーっ」
「大西さん!」
いつの間にいたのか、大西さんがサービスカウンターの中に入り、レジのしたに一緒に屈むようにして入ってきた。
「他にも敵がいるかもしれない。混乱が収まるまで、怖いだろうけどここにいようね?」
「でも、亮司さんが……!」
──パン!!
「きゃあっ!!」
また、破裂音がした。
思わず耳を押さえてしまったけど、目は何とか開けていて。
少しぼやけた視界に見えたのは、亮司さんが銃弾を避けて、男の懐に突っ込んでいく場面。
「ふっ!!」
短い呼吸の気配がして、亮司さんの右腕が男の腹にめりこむ。
ゴキ、といやな音がして、男は立ったまま白目をむいた。
床にゴツン、と冷たい拳銃が落ち……。
「容疑者確保!!銃刀法違反の現行犯で逮捕する!!」
──がちゃん。
手錠を取り出し、その手首を拘束した。
「さーすが、高浜さん!」
大西さんが小さくだけど、明るい声を出す。
「こ、怖かったよ……素手で向かっていくなんて、どうしてあんな無茶を……」
「え?一般人巻き込むの嫌じゃん?それだけじゃね?」
「そ、それだけ……」