イケメンSPに守られることになったんですが。


しかし、まだ安心はできない。


私を狙うテロリストが、拳銃を持ってそこにいる。


当然亮司さんも拳銃を取り出し、リョウさんになって応戦するのかと思いきや……。


彼は、ロングコートを翻し、素手で男の方へ走る!



「ええええっ!!」


「麻耶ちゃん、しーっ」


「大西さん!」



いつの間にいたのか、大西さんがサービスカウンターの中に入り、レジのしたに一緒に屈むようにして入ってきた。



「他にも敵がいるかもしれない。混乱が収まるまで、怖いだろうけどここにいようね?」


「でも、亮司さんが……!」




──パン!!



「きゃあっ!!」



また、破裂音がした。


思わず耳を押さえてしまったけど、目は何とか開けていて。


少しぼやけた視界に見えたのは、亮司さんが銃弾を避けて、男の懐に突っ込んでいく場面。



「ふっ!!」



短い呼吸の気配がして、亮司さんの右腕が男の腹にめりこむ。


ゴキ、といやな音がして、男は立ったまま白目をむいた。


床にゴツン、と冷たい拳銃が落ち……。



「容疑者確保!!銃刀法違反の現行犯で逮捕する!!」



──がちゃん。


手錠を取り出し、その手首を拘束した。



「さーすが、高浜さん!」



大西さんが小さくだけど、明るい声を出す。



「こ、怖かったよ……素手で向かっていくなんて、どうしてあんな無茶を……」


「え?一般人巻き込むの嫌じゃん?それだけじゃね?」


「そ、それだけ……」


< 138 / 438 >

この作品をシェア

pagetop