イケメンSPに守られることになったんですが。


リョウさんの一発目を敵はよけたらしく、キャベツの山がくずれてごろごろと音を立てる。


──ダン!


陳列棚から床に着地したリョウさん。


彼に向かい、えのきの箱の陰から、スナイパーが拳銃を向ける。


その銃口が火を噴くのを待たず、今度は奥の鮮魚コーナーから弾丸が飛んできた。



「ちっ!」



リョウさんは鮮魚コーナーからの弾丸を避け、そちらに一発お見舞いする。


それも避けられたのか、代わりに被害を被った冷凍サンマが宙を待った。


その間にえのきの陰からの銃弾がリョウさんのこめかみを狙い、彼は二発目を撃った反動を利用し、床を一回転してそれを避けた。



「くっそ……よく見えない!
応援はまだっすか。敵は複数ですよ!」



大西さんがピンマイクに向かって叫ぶ。


早くしてくれないとリョウさんが……!!


──バァン!!


応援が早く着くように祈っていると、新たな銃声が。


おそるおそる目を開けると……。


リョウさんが、うずくまっていた。


顔が赤い液体で染まっている。


頭を撃たれたのか、首を撃たれたのか、それとも……。



「やっ、いやあああああ……っ」



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