イケメンSPに守られることになったんですが。
「私ね、結婚を考えてお付き合いしてる人がいるの」
…………!
私は思わず、亮司さんの方を見てしまう。
どんな顔をしているのかと思ったけど、彼は意外と穏やかに笑っていた。
「……それは良かった。お幸せに」
「あなたもね……」
「余計なお世話だよ」
彼はもう一度笑うと、佐々木さんに向かって手を上げた。
そしてあっさりと助手席のドアを開け、自分も車に乗り込んでしまう。
佐々木さんはまだ何か言いたそうだったけど、彼女もまた笑って手を振った。
なんだか、大人の切ないラブストーリーを映画で見ている気分だった。
完全に蚊帳の外となってしまった子供の私。
「さて、お腹が空いたでしょう。
何か食べたいものはありますか?」
「……何でもいいです……」
なんでそんなに普通なんですか。
なんで私のほうが、切なくて苦しい思いをしまきゃいけないんですか。
「また……それ困るんですよ。
俺はあなたみたいな人が好きそうな場所が、わからないんですから」
「私は変わり者だけど、食べるものは別に普通のところでいいですよ」
「違います。
あなたみたいな……その、若くてかわいい人に似合いそうな場所がわからないと言ってるんです。
髪型も化粧も似合ってますよ。
別人みたいになってしまって、おじさんは緊張してしまいます」
…………!
また心臓のヘビメタバンドが暴れだす。
私のバカ。バカ麻耶。
ドキドキしちゃダメだってば。
……期待しちゃ、ダメだってば。