イケメンSPに守られることになったんですが。


ウィッグをかぶったままの、元彼カズヤ。


こいつ、本当にテロリストだったんだ。


ナイフを突きつけられて声が出せない私に、彼は持っていた紙袋を押し付ける。



「それに着替えろ。コートと下だけでいい」



紙袋に入っていたのは、いつもの私なら絶対に着ない、真っ白なコートとミニスカート、そして巻き髪ロングヘアのウィッグが入っていた。



「それを着て、俺とここから出るんだ。

SPに気づかれないようにな」



カズヤは乱暴に、私にウィッグをかぶせる。


いったんナイフが便器のふたの上に置かれたのを見て、私は震える声で言い返す。



「どうして……?

あんた、テロリストなんでしょ。私を殺そうとしているんでしょ。

ならここで殺せばいいじゃない。どうして変装する必要があるの?」



亮司さん、お願い気づいて。


時間が長くかかれば、異変に気づいてくれるはず。


話をして、時間を伸ばさなきゃ……。



「お前、公安に何かチクっただろ。

昨日から俺の周りをかぎまわってるみたいだ」



そういえば、さっき車の中で亮司さんが誰かと電話をしてた。


もしかして、捜査に進展があったのかも……。


「それは……何か最近変わったことがないかって聞かれたから、地下鉄爆破事件のときにあんたに会ったって言っただけだよ」


「それが余計なんだよ!」


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