イケメンSPに守られることになったんですが。


やっぱり、あの爆破事件もカズヤが実行犯だったんだ。


カズヤは見たこともないような顔をした。


私が知っているのはいつも無気力でだらんとした顔だったのに、今のカズヤは立派なテロリスト。


邪魔者は容赦なく消してやる。


そんな目をしていた。



「せっかくお前の小説を使って、警察の目をくらませてやったのに。あいつら、気づきやがった」



そりゃそうでしょう……。


だいたい、国際派テロリストが日本のケータイ小説読んで、その作者を殺そうとするなんて、最初から公安もSPたちもおかしいと思ってたよ。


やっぱり、凡人の私にはテロリストの心理はよくわからない。



「あんたたちの本体の仲間が、警察に捕まっているの?

だから、政治犯全員を解放しろなんて言うんでしょう?」


「……お前は昔から、ムダに頭がいいよな」



昔から……。


忘れていたけど、あんただって。


昔から、小難しい政治の話が好きだったよね。


私は興味がないから、右から左にスルーしてたけど。


初めて図書館であったときも、私があの本を持っていなかったら、あんたは話しかけてこなかったのかもしれないね。


あの本の作者は、軍服を着て自分の主張を民衆の前で叫び、自分のお腹を切って自殺した。


だからあんたたちみたいな国を相手にして何かやらかそうとしているテロリストにとっては、神様的な存在なんだよね。


私は今まで、なにも気づかなかったよ。



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