イケメンSPに守られることになったんですが。


「銃をおろせ」



カズヤに命令されると、リョウさんは銃を持っていた右手をだらりと下げる。


するとじりじりとカズヤがあたしを抱いたまま歩みはじめた。


私はリョウさんの目を見つめるしかできない。


しかしリョウさんはこちらを見る余裕なんかなく、カズヤの顔をにらんでいた。


そして、入り口で2人の体がすれ違おうとした瞬間……。


──バッ!


リョウさんの銃を持っていないほうの左手が上がった。


それはカズヤのナイフを持つ手首を捉え、ぎり、と頭上に持ち上げる。


なんて速さ……!



「ちっ!!」



カズヤは私を突き飛ばす。


バランスを失った私は、通路の壁に体を打ち付けられた。


そうしているうちに、カズヤは私がいなくなって自由になった手で、リョウさんの頬を殴ろうと狙う。



「リョウさんっ!!」



リョウさんは簡単にそれを避ける。


しかしそうするために、捕まえていた方のカズヤの手を離してしまった。


カズヤはナイフをリョウさんに向ける。


リョウさんも銃を構えはするが、やっぱり発砲しない。



「な、なにあれ!」


「きゃあぁぁっ!」



通路の入り口から悲鳴が聞こえた。


一般人が、銃とナイフを持ってにらみあう男2人を発見したんだから、ムリもないだろう。


お願い、誰か……警備の人でも誰でもいいから、リョウさんを助けて!





< 213 / 438 >

この作品をシェア

pagetop