イケメンSPに守られることになったんですが。
「銃をおろせ」
カズヤに命令されると、リョウさんは銃を持っていた右手をだらりと下げる。
するとじりじりとカズヤがあたしを抱いたまま歩みはじめた。
私はリョウさんの目を見つめるしかできない。
しかしリョウさんはこちらを見る余裕なんかなく、カズヤの顔をにらんでいた。
そして、入り口で2人の体がすれ違おうとした瞬間……。
──バッ!
リョウさんの銃を持っていないほうの左手が上がった。
それはカズヤのナイフを持つ手首を捉え、ぎり、と頭上に持ち上げる。
なんて速さ……!
「ちっ!!」
カズヤは私を突き飛ばす。
バランスを失った私は、通路の壁に体を打ち付けられた。
そうしているうちに、カズヤは私がいなくなって自由になった手で、リョウさんの頬を殴ろうと狙う。
「リョウさんっ!!」
リョウさんは簡単にそれを避ける。
しかしそうするために、捕まえていた方のカズヤの手を離してしまった。
カズヤはナイフをリョウさんに向ける。
リョウさんも銃を構えはするが、やっぱり発砲しない。
「な、なにあれ!」
「きゃあぁぁっ!」
通路の入り口から悲鳴が聞こえた。
一般人が、銃とナイフを持ってにらみあう男2人を発見したんだから、ムリもないだろう。
お願い、誰か……警備の人でも誰でもいいから、リョウさんを助けて!