イケメンSPに守られることになったんですが。
「ははっ、やっぱり撃てないか。こんなところで銃声がしたらたちまちパニックが起こるもんな」
カズヤがナイフを向けたまま笑う。
「……これでも一応公務員だからな……」
リョウさんがゆっくりと銃をしまう。
しかし、その目は亮司さんには戻らなかった。
ぎらりと光る、トラの目。
それはリョウさんのもの……。
そうか、こんな場面でコロコロ人格を変えたら、リョウさんと亮司さんに隙ができてしまう。
だから、リョウさんがそのままいるんだ。
「死ねよ……政府の犬が!」
カズヤはナイフを強く握りなおし、リョウさんに飛び込む。
ヒュンッと風を切るような音がして、銀色の切っ先がリョウさんを狙う。
リョウさんは右へ左へとそれを避け、もう一度カズヤの腕を取りにいく。
「女装野郎に犬呼ばわりされる覚えはねえっ!」
──ダァンッ!
右手でカズヤの手首を捉えたリョウさんが、左腕で彼の喉元を押さえ、壁に背を打ち付ける。
リョウさんはそのまま左手に力を入れ、カズヤの気を失わせようとする。
早く、早く気絶して……!
苦痛にゆがんだカズヤの顔を見ていると、空だったもう片方の手がぴくりと動くのが見えた。
まさか……!
その手は震えながらも、腰のポケットに入り、何かを探る。
やがて出てきたのは、まぎれもない、銀色の光……。