イケメンSPに守られることになったんですが。


カズヤは一本になったナイフを持ったまま、じりじりと通路に後退していく。


その顔には明らかな狼狽の色をしていた。


「ま、待てよ……SPは原則、発砲禁止だろ。

こんなところで撃ってみろ。たくさんの目撃者が、警察官がやたらに発砲するところを見ることになるんだぜ。

お前、もう公務員ですらいられなくなるぞ」



そんな……!


そんなの、ダメだよ……!


やっと立ち上がってリュウさんを見ると、彼は銃を降ろす気はないようだった。



「国家の変革を望むテロリストのわりには、ちいせえことを気にするんだな」


「な……っ」


「お前の言うとおり、SPは原則は発砲しない。

例外は、相手が銃を所持し、一般人および警護対象者に危害を加えると思われた場合のみ。


それと……」


「…………」



リョウさんの人差し指が、引き金にかかる。


その銃口をカズヤにまっすぐ向けて、低い声で言った。



「俺を、怒らせたときだ」



< 216 / 438 >

この作品をシェア

pagetop