イケメンSPに守られることになったんですが。
──ガツッ!
手錠を取り出したリョウさんの手を、カズヤが膝で蹴った。
「チッ!」
リョウさんはさらに蹴りを繰り出すカズヤから離れ、それを腕で防御するが……。
「……ッ!」
何の前触れもなく、リョウさんの顔が一瞬歪む。
そのすきを突き、カズヤはリョウさんの下から脱出し、一気に通路の外へと駆け出した。
「リョウさん……っ」
いったいどうしたんだろうと彼を見ると、コートの袖口からぽたりと赤い雫が落ちるのが見えた。
注目すると、リョウさんのコートの肘の部分から手首までが裂けている。
きっと、さっきカズヤの腕を受け止めたときに傷つけられたんだろう。
そこを、蹴りを防御した瞬間に蹴りつけられたんだ。
「あの野郎……!」
しかしリョウさんはすぐに、カズヤの後を追おうとする。
私は思わず、その腰に抱きついた。
「行っちゃダメ!」
「あぁ!?離せよ!!」
「ダメだってば!リョウさん、怪我してるんですよ!?」
「これぐらいどうってことない!」
「ダメです!」
私は振り離されないように、地面につけた両足に全力をこめた。